そば職人への転職体験談3選|異業種からの転身の理由と道のり

そば職人への転職体験談3選|異業種からの転身の理由と道のり そば屋開業

最終更新: 2026-10-04

そば職人への転職は、飲食業の経験がなくても実際に成功している人が複数います。本記事では、趣味からの転身、フランス料理シェフからの転身、運送業からの未経験転職という3つの異なる背景を持つ人の体験談を、公開されているインタビュー記事を出典として紹介します。共通点は「きっかけは意外と身近な出来事だった」ことと「最初の数年は収入が少ない期間を覚悟していた」ことです。

体験談1:趣味のそば打ちから転身し、水を求めて移住した甲慎さん

2026 10 04 soba shokunin tenshoku taikendan h2 00

甲慎さんは大阪府出身で、もともとそば職人を目指していたわけではなく、趣味でそばを打つようになったのがきっかけでした。信州で食べたそばに感動し、その後各地のそばを食べ歩くうちに、愛媛県西条市の「うちぬきの水」と呼ばれる地下水に出会います。この水でそばを打ちたいという思いから、山梨県でそば打ちの修行に出ました。

修行期間は1年間で、その間は給料なしの生活だったと語っています。修行後、水に惹かれた西条市で店を開き、インタビュー時点(2007年12月25日取材)で開業から3年が経過していました。現在は朝7〜8時から約30分で15人前のそばを打ち、午前11時開店・午後6時閉店というペースで店を営んでいます。

体験談2:フランス料理シェフから29歳でそば職人に転身した徳山誠さん

2026 10 04 soba shokunin tenshoku taikendan h2 01

徳山誠さんは、フランスの料理店で1年ほど住み込みで働いた後、日本に戻って京都や金沢のフランス料理店でシェフとして働いていました。人間関係の疲れから一度は飲食業を離れましたが、やはり料理に関わる仕事がしたいという思いから、たまたま従業員を募集していたそば屋で働くことを決めます。これが29歳のときでした。

働き始めて数か月で、シンプルだからこそごまかしがきかないそば打ちの世界に惹き込まれていったと振り返っています。そばの仕事に関わり始めて4年目、この先もそば打ちでやっていけると感じたタイミングで自分の店を開業。現在は福井県で「蕎麦屋 十九」を経営し、1日約40人前のそばを打ちながら店の経営も担っています(取材日2017年6月5日時点)。

体験談3:運送業から未経験で飲食業に転職した吉そば銀座店店長

2026 10 04 soba shokunin tenshoku taikendan h2 02

立ち食いそばチェーン「吉そば」銀座店の店長は、転職前は運送業に就いていました。12年前の冬、たまたま入った吉そば神田店で食べた春菊天そばがきっかけとなり、飲食業未経験のまま応募を決意したと公式の採用サイトで語っています。

入社当初は飲食未経験で不安を感じていたものの、研修担当の店長から「自分にとって一番大切な人に食べてもらう時と同じ気持ちで、お客様にお蕎麦をお出しなさい」という言葉を受け、その教えを今も大切にしているといいます。12年間勤務を続け、現在は銀座店の店長を務めています。

3人の体験談から見える共通点

2026 10 04 soba shokunin tenshoku taikendan h2 03

項目 甲慎さん 徳山誠さん 吉そば銀座店店長
転職前の仕事 不明(趣味でそば打ち) フランス料理シェフ 運送業
きっかけ 水へのこだわり 料理への思いの再燃 1杯のそばとの出会い
転身時の年齢 不明 29歳 不明(未経験入社)
修行・準備期間 1年間(無給) 働きながら4年目で独立 研修を受けながら就業
現在の立場 自店経営(愛媛県西条市) 自店経営(福井県) チェーン店の店長(東京都)

この3人を見ると、修行先を探して独立する「自営ルート」(甲慎さん、徳山誠さん)と、チェーン店に就業して店長を目指す「就業ルート」(吉そば銀座店店長)という2つの道があることがわかります。自営ルートは準備期間が長く収入が不安定になりやすい一方、就業ルートは未経験でも研修を受けながら働けるため、生活費の不安を抑えやすいのが特徴です。どちらが向いているかは、そば職人の修行とスクール、どちらを選ぶべきか徹底比較で紹介した「時間的な余裕」「開業までに使える期間」「重視する資産」の3基準と同じ考え方で判断できます。

転職を考えるなら知っておきたい業界の規模

2026 10 04 soba shokunin tenshoku taikendan h2 05

そば・うどん類(和風めん)製造業の全国出荷金額は2,815億9,500万円に上ります(経済産業省 経済構造実態調査、2022年)。製造業だけでこの規模があることは、そば・うどんを扱う飲食店や関連事業全体の裾野の広さを示しています。業界データの詳細はそば業界の統計まとめでも確認できます。

転職前に確認しておきたいこと

ここで紹介した3人も、最初から順風満帆だったわけではありません。甲慎さんは1年間無給で修行し、徳山誠さんも独立までに4年かけています。転職後すぐに安定した収入を得られるとは限らない前提で、生活費の計画を立てておくことが大切です。

まとめ:異業種からの転身は珍しくない

  • 趣味・料理人・運送業など、全く異なる背景からそば職人に転身した実例が複数存在する
  • 自営ルート(修行→独立)は準備期間が長く、就業ルート(チェーン店に入社)は未経験でも研修を受けながら働きやすい
  • どちらのルートでも、転身直後は収入が不安定になる前提で生活費の計画を立てておく必要がある
  • 自分がどちらのルートに向いているかは、修行とスクールの比較記事の3基準を参考に判断できる
  • そば職人になるには?未経験から独立まで5ステップ完全ガイドで、独立までの具体的な流れも確認しておきましょう

この記事はそばナビ編集部が執筆しました。そばナビは蕎麦業界へのキャリア参入を支援する専門メディアです。

詳しくは編集部についてをご覧ください。

参考情報

  • そば職人 甲慎さんの職業インタビュー(EduTownあしたね「そば職人 甲慎さんの職業インタビュー」、取材日2007年12月25日、確認日2026-10-04)
  • そば職人 徳山誠さんの職業インタビュー(EduTownあしたね「そば職人 徳山誠さんの職業インタビュー」、取材日2017年6月5日、確認日2026-10-04)
  • 吉そば銀座店店長のインタビュー(吉そば公式サイト「採用情報」、確認日2026-10-04)
  • そば・うどん類(和風めん)製造業の出荷金額(経済産業省「経済構造実態調査」、2022年、確認日2026-10-04。詳細はe-Stat政府統計の総合窓口を参照)


コメント

タイトルとURLをコピーしました